気まぐれ王子とサル女


いざ、爽太を見ると
"ドクンッ"と胸が高鳴る。


爽太に遊びに行く誘いをするつもりで
何度も何度も昨夜イメトレをしたから
きっと大丈夫。

私はできる。私はできる。

そう自分に言い聞かせながら
爽太に歩み寄る。


「爽太…」


振り絞った声は小さくて
かすかに震えていた。


「何?」


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