気まぐれ王子とサル女




私は爽太との今までのことや
私が爽太のことを好きになったことなど
陽葵にすべてを話した。



「そっかー。なるほどね。
話してくれてありがとう。」




何で陽葵がお礼を言うの?
私が全部話聞いてもらったのに。

陽葵はいつもそう。
私が辛いときはすぐに助けてくれる。
ちょっとした変化にも気づいて
悩みを聞いてくれるホントに太陽みたいな人。



「七海はこのまま
爽太と話さないでいいの?」



「…え?」



陽葵の不意の質問。

このまま爽太と話せなくなる…?



思えばいつも横には爽太がいた。
心底から泣いたり笑ったり怒ったりできるのは
爽太だけかもしれない。

そんな爽太がいなくなると思うと
私の心にぽっかりと穴が開いた。












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