気まぐれ王子とサル女



でも、爽太のために
私が頑張らなきゃ。

今まで散々私に突き合わせてしまった分
どんな形であれ、
爽太を幸せにしたい。



「…うん。私は爽太が
幸せになってくれればそれでいい。」



「七海は優しいな。
何かあったら俺に言えよ?
って言っても頼りにならないかっ。」


陽葵は明るく笑った。


「とりあえず、お前今日は帰れ。
顧問と部長には俺が適当に言っとく」



「あり...がと。」




陽葵の笑顔は眩しくて
夕日が差し込む教室で見た
涙で霞んで見える陽葵の顔は
いつも以上に輝いて見えた。







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