気まぐれ王子とサル女
私たちクラスは
接戦ではあるが、
1位で私のところまできた。
ここでもっと差をつけなくちゃ。
みんなの声援が
心にまで響いてゆく。
バトンを渡されると
私は思いっきり走った。
2位のクラスの人が
迫ってきている。
顔を上げ真っ直ぐ先を見ると
太陽の日差しが降り注ぎ
眩しく光り輝いていた。
だが私の視界に入った人物は
それとは正反対に
相変わらず不機嫌そうな顔をした
爽太の姿があった。
何も声をかけてくれない。
私たちはいつまで
こんな関係なの?
心拍数は早く
心臓が破裂しそうなくらい苦しくて
呼吸も乱れてきた。
爽太なんか、
爽太なんか…