気まぐれ王子とサル女





そんなふうに考えていた途端、



「...あっ、」



"ズサーーー"


私はつまづいて
転んでしまった。



痛い。


転んだのも久しぶりだし、
当たりどころが悪かった。


もう、やだ。
なんでこんな時に…。私ばっかり。


足がズキズキと痛む。

その痛みとともに
爽太と笑いあった日々が
思い起こされた。

過去が蘇れば蘇るほど
胸が締め付けられる。



純白だった体育着は
もう砂にまみれ、
まるで私の今の心を表しているようだった。


私は汚い。
私は邪魔。
私なんていない方がいいんだ…



他のクラスにも抜かされ
「あぁ、だめだ」
って思ってた。



その時



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