[仮]ヒロインは私⁉
ああ、もう!全てにおいて最悪だ。
深呼吸をし、下がっていた気分を無理矢理上げるかのように視線を上げると、雲ひとつない真っ青な空が広がっていた。
そんな時、私をこんな状況に落とし入れた母親の顔が心に浮かぶ。
「頑張ってね♪萌なら大丈夫よ!」
今となってはうざったいと思ってしまうほどの満面の笑みとVサイン。
行き場のない怒りが涙になり、目に溜まって零れ落ちそうになったが、どうしても流したくなくてカーディガンの袖でそれを防いだ。
そう、こんなことになったのも一昨日の夜。
4月28日、私の誕生日の夜のことだ。