【完】彼を振り向かせる方法
「……っ」
唇を重ねた瞬間に、ジェラシーが私の心臓を揺らしだす。
彼の頬から鼻先に伝わる熱が伝染するみたいに、さらに熱を帯びていく私の身体。
カケちゃんに触れられる子が、私だけだったらいいのに……。
いままでも、これからも、ずーっと……。
理性をなくしたせいなのか、素直な思いが募っていく。
嫉妬心と独占欲って、やっぱり比例してるのかな。
最後に妙な感想を述べながら、私は唇をそっと離した。
彼の頬はチークを塗ったようにほんのりピンク色で、目は完全に泳いでいる。
驚かせちゃったよね……。
「ヒロチ……どうしたの?」
しばらく黙ったままでいると、
驚きに加えて、心配そうな眼差しで私を見つめるカケちゃんがいた。