【完】彼を振り向かせる方法






「駅のホームで……ほら、雛水先輩とヒロチーが一緒に通学してたとき。


あんときにヒロチーが先輩に向けて見せてた顔、いまでも覚えてるし……

それに、独り占めしたいって……ずっと思ってた」



ギュッと抱きしめる強さを増しながら、「ストーカーみたいでキモいよなぁ俺」なんて自虐して笑うカケちゃん。




「だけど、そのときよりも今の方がもっと……」



もっと……?


彼の言葉を待つ間、心臓はさっきよりも増して騒がしかった。




「ヒロチーの可愛い顔とか、泣いてる顔とか、照れてる顔とか……あと、たまに見せる女の顔とか……。


とにかく全部、俺だけのものになればいいのにって、思ってるよ」




女の顔って、なんだろう。

そんな疑問を抱きながらも、やっぱりすごく嬉しかった。





「だから……さっきみたいなことされると、俺的にはもう限界かな」





< 362 / 401 >

この作品をシェア

pagetop