猫を撫でる。
あくむと愛猫



美梨が中学三年生の時。

肌寒くなり始めた秋のことだった。


サッカー部のキャプテン奥田勇に
告白され、付き合い始めた美梨は毎日が有頂天だった。



ある日、美梨は隣のクラスの高部という女生徒に呼び出された。


高部は髪を染め、威圧的な態度をとるので仲間以外の生徒は敬遠していた。


美梨も高部と話した事はなかった。



嫌な予感はしていた。



放課後、美梨が指定された体育館の
裏にいくと、待っていた高部は仲間二人を従え、恐ろしい目付きで美梨を睨みつけた。



『この女!勇を誘惑しやがって。
許さねえ!』

そういうと美梨の頬を平手打ちし、美梨の首がガクンとなるほどの勢いで髪を引っ張った。


美梨は脚が震え、悲鳴すらあげられなかった。


ただ、怖くて痛くて涙がでてきた。


高部は仲間二人と共に、

『ぶすのくせに』
『調子にのんじゃねーよ』

などと言いながら美梨をいたぶった。



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