サラリ-マンと女子高生



その時、今まで颯さんに感じていた大人な雰囲気は一気に消えた気がした


この時の颯さんはどこか不安げで、私が支えたい、なぜかそう思った



「颯さんは最低じゃないですよ。だって、最低な人間はそんなに悲しい顔をしながらそんなこと話したり出来ない…

今日だってこんなに楽しいって思えるのは、颯さんが優しいからです!
だから、自分のこと最低なんて言わないで…」



「千咲ちゃん、泣いて…」



自分の好きな人が傷ついてると思うとなぜか涙が出てきた


「なんでだろ…涙が勝手に…」


颯さんは驚いているのか私の名前を呼び続ける



「ごめんなさい、私が泣くことじゃないのに」


無理矢理笑顔を作っても溢れる涙を颯さんは自分の指ですくった


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