キミの華。
『んー・・・。間に合わん。』
小さく呟くと
私は全力で学校への道を走った。

春の暖かい気に包まれて
セーラー服のスカーフがなびく。

『お~遅刻かぁ!?』
後から自転車で駆け上がってきたのは
一個上の先輩。

『旺史郎先輩!!先輩も遅刻ですよ!』
私が声をあげると
にかっと歯を見せて笑った。
赤井旺史郎先輩。
私が所属する剣道部の先輩、
そして東桜中剣道部の主将。



『俺はチャリだからヨユー。
乗せてやろーか?』
旺史郎先輩がまた
笑うと私は持っていた竹刀袋を
しっかり持って旺史郎先輩の
後に乗る。


『お前重くね?』
『失礼な・・・。重くありません。』
『はははは、じょーだん。とばすぞ!』

旺史郎先輩は声をあげて
笑うと学校までの距離を
自転車で走りだした。




『ギリセーフ。』

ほんとにぎりぎりで
学校に滑り込む。

『ありがとうございました!』
お礼を言って素早く
教室へ走る。

旺史郎先輩は
軽く『おう。』と言うと
フラッと保健室に入って行ってしまった。
旺史郎先輩はサボりの常習犯。
ほとんど学校には
部活のために来てるような感じ。

私はそんなことを
思いながら走った。
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