君をずっと見てたよ。
「あれ?知らなかった?ここのマンションの壁って、薄いんだよ。だから会話とかフツーに聞こえてくるんだよね」
「ええっ!?」
「だからアンタの彼氏とケンカもフツーに聞こえてたよ。後は、彼氏との"情事"もね」
「っ!?うっ、ウソッ……」
彼氏とえっちしてる時のあたしの声、お隣さんに聞こえてたの!?
うわっ、サイアク……。
「ウソじゃないよ。バッチリ聞こえてたよ」
「……なんか、すいません」
「謝らなくてもいいよ。ひとつ条件があるけど」
「条件、ですか?」
「うん。―――俺に抱かれてよ」
「はっ、はいっ!?」
いきなりなによ!!
抱かれてよって……。
「実は俺、アンタのことずっと見てたんだよね」