君をずっと見てたよ。
「……え?」
気がつくとあたしの目の前には、さっきまでベランダにいたはずのお隣さんがいた。
「……なっ、なんで?どうやってきたの?」
「どうって、フツーに渡っただけだけど」
「……えっ」
「それよりさ、俺に抱かれてみてよ。―――俺、アンタの彼氏より気持ちよくさせる自信あるよ」
「なっ、なに言ってんの!?冗談やめっ……」
あたしの言葉を塞ぐかのように、お隣さんの彼はあたしの唇を強引に奪った……。
「……んっ」
なぜだか、拒みたいのに拒めない。
やめてほしいと思ってるのに……。
それどころか、もっとしてほしいと思ってる。
「―――今から俺と、甘くて激しい"情事"をしようか」
わたしはその言葉に、静かにコクンと頷いた……。
<完>


