君に逢いたくて~最後の手紙~
「梨衣奈!大丈夫だった!?」



そう言って私に飛び付く美夏。



あれから私と優斗は電車に乗り、
その日の夜中に帰って来た。


そして今、家の前にいる。



美夏には先に連絡した。



美夏は私の家の前まで来てくれていた。




「うん。大丈夫。ごめんね、心配かけて」




美夏は今にも泣きだしそう。



「ううん。いいの。梨衣奈が
帰ってきてくれただけで…」




美夏…ありがとう。



「優斗、ありがとう。梨衣奈を
連れて帰ってきてくれて」



美夏は私に抱きついたまま、
優斗に顔を向けそう言った。



「うん」


優斗はそう言いながら微笑む。




「じゃあ梨衣奈、優斗、家に入ろう」



美夏は私たちに笑いかけ、
私んちの玄関の扉を開けた。
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