君に逢いたくて~最後の手紙~
優斗が帰ってきて、2週間が経った。



あれから優斗は夏休みの間だけ
私んちで住んで、夏休みあけには
優斗のお父さんが用意したマンション
に引っ越しする。



もちろん私も一緒に。


だから私がこの家で暮らすのは、
あと1週間ちょっとくらい。



そのマンションと私が通っている
高校は結構近くて、
歩いて25分なんだよね。



私は9月から、優斗と新しい生活、
同居を始める。



楽しみなんだ。



好きな人との同居は、女子みんなの
あこがれでしょ?



この2週間はずっと優斗と一緒にいて、
美夏も家に呼んだりして、
とても楽しい毎日だった。



だからこれからもずっと一緒だと
思うと、胸のドキドキが止まらない。



「梨衣奈…」



すっかり妄想の世界に入り込んで
いた私の耳に、優斗の声が
飛び込んできた。



「優斗」




私と優斗は見つめあった。



今は夕方で、2人で一緒に
テレビを見てたんだ。


お母さんは仕事でいない。
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