キミが残したもの
タイトル未編集
いつも明るく元気な妹。
幼い頃から病気で、ずっと入院している私。
愛してくれていないことはないんだろう。
その証拠に、両親はどんなに忙しくても病院に来てくれる。
いつも笑ってくれる。
でも・・・
妹はずっと両親からの愛をもらえる。
こんな病院じゃなくて、しかも時間制限つきじゃなくて家でずっと。

消毒の匂いのする部屋の中から一歩も出てはいけない。
点滴を離してはいけない。
まるで、かごに閉じ込められた小鳥みたい。
きっとこれから死ぬまでこの状況なんだ。
家族と看護師さんたち以外、話すこともできない。
友達も居ない。

前は寂しいって思ってた。
でも・・・。
どんなに思っても、誰も私に気づかない。
心の叫びは届かないんだ。
だから。
この気持ちは封じ込めることにした。
先生にも、お母さん、お父さんにも・・・妹にも。

これ以上、苦しまないですむように。
心に鍵をかけた。

< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop