恋文ポスト
「桃花、おばあちゃんに手紙を書いて欲しいのよ。」
「手紙?桜子おばあちゃんに?」
「おばあちゃん、携帯持ってないでしょ?しかもおばあちゃん、友達みんなに先立たれちゃって、お見舞いに来る人は少ないと思うの、だから……」
お母さんは少し寂しそうに言う。
確かにそうだ。
おばあちゃんの旦那さんや友達はみんなもう亡くなっていて、
おばあちゃんは今一人なんだ。
「桜子おばあちゃんは病院に入院してるの?」
「ううん、おばあちゃん病院昔から嫌いだし、自宅療養だって。今は伯母さんがおばあちゃんの世話してくれてる。」
伯母さん、つまりお母さんのお姉ちゃんだ。
私たちはおばあちゃんの家から
少し遠くに住んでいるから
簡単には会いに行けない。
「そっか、じゃあおばあちゃんの家に手紙、出せばいい?」
「ありがとう桃花。おばあちゃん喜ぶわ。」