恋文ポスト




昨夜お母さんが急に切り出した。

「桃花、おばあちゃんの――桜子おばあちゃんの体調が最近、よく無いらしいの。」

「桜子おばあちゃんの?」


桜子おばあちゃんとは、
お母さんのおばあちゃん、
つまり私の曾おばあちゃんにあたる。


お母さんは早くに両親を亡くしたから、
桜子おばあちゃんに小さい頃から
親代わりをしてもらっていたみたい。


「多分―――。」


聞かなくても分かった。
桜子おばあちゃん相当悪いんだ。

――多分もうそんなに長くない……。


お母さんもきっとそう言いたいのだろう。


桜子おばあちゃんは、
もうすぐ100歳だから。


でもその割りにはいつもピンピンしてて
体調が悪い姿なんか想像つかなかった。


「それでね……」






< 3 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop