恋文ポスト
昨夜お母さんが急に切り出した。
「桃花、おばあちゃんの――桜子おばあちゃんの体調が最近、よく無いらしいの。」
「桜子おばあちゃんの?」
桜子おばあちゃんとは、
お母さんのおばあちゃん、
つまり私の曾おばあちゃんにあたる。
お母さんは早くに両親を亡くしたから、
桜子おばあちゃんに小さい頃から
親代わりをしてもらっていたみたい。
「多分―――。」
聞かなくても分かった。
桜子おばあちゃん相当悪いんだ。
――多分もうそんなに長くない……。
お母さんもきっとそう言いたいのだろう。
桜子おばあちゃんは、
もうすぐ100歳だから。
でもその割りにはいつもピンピンしてて
体調が悪い姿なんか想像つかなかった。
「それでね……」