恋文ポスト




手紙を出してから数日経った。


リビングでテレビを見ていると
お母さんが話しかけてきた。


「桃花〜本当に手紙出した?」


テレビから目を話さないで答える。


「へ?出したよ〜おばあちゃんに届いてないの?」


「そうみたいなの。おかしいねえ?」


ん?

あれ?そういえば私…



あ!


そうだ!あのポスト、
やっぱり使われてなかったんだ!!

でもポストの中から手紙を取るなんて出来ないし…

もう一回書くしかない…か……。


「お母さんごめん、もう一回書くよ。」


「え?でも出したんでしょう?」


「うん、やっぱりこの前の怪しいポスト駄目だったみたい。だから今度はスーパーの横のとこに出すから。」


「ああ、それで届かなかったのね!それにしても、そんなポスト見かけた事ないけどね?どこにあったの?」


どこに?
あれ?どこにあったんだっけ?
あのポスト。


私のいつも通ってる道にあるのは確かなんだけど…


なんでだろう、分からない。


「暗かったからかな?分かんない…。」


お母さんは一瞬不思議そうな顔をした。
けれどすぐに、


「まあ、またお願いね桃花。」


「はいはい〜」


お母さんは特に気にする事なく
キッチンに行ってしまった。



私はちょっとあのポストが気になる。

どこにあったんだろう。



でもとりあえず桜子おばあちゃんに手紙書かなくちゃ。



私はテレビを消して、部屋に戻った。





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