【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~





なんだろう、と顔を上げたら、鼻先が触
れそうな程に近い距離に、香坂の顔があ
って思わず息を止めてしまった。



香坂から、微かに漂う、いつもとは違う
甘い香り。



きっと彼の香水だ。───くらくらしそ
うな、危険な香りだと思った。



「ち、近いのよ!」



怒ったようにそう言うと、香坂は妖しく
微笑む。



「……今日の服、めちゃくちゃ可愛い」


「───っ!?」


「いつもの委員長と違うよね……」



思いがけない言葉に固まってしまう私を
舐めるように見回しながら、僅かに緩く
巻かれた髪の毛を指先で弄る香坂。



耳許で囁かれる低い重低音に、痺れてし
まいそうだった。



「……もしかして、誘ってんの?」


「……っ、ち、違うから!」



もうそれ以上は堪えられなくて、パシッ
と香坂の手を払いのける。






< 120 / 426 >

この作品をシェア

pagetop