【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
なんだろう、と顔を上げたら、鼻先が触
れそうな程に近い距離に、香坂の顔があ
って思わず息を止めてしまった。
香坂から、微かに漂う、いつもとは違う
甘い香り。
きっと彼の香水だ。───くらくらしそ
うな、危険な香りだと思った。
「ち、近いのよ!」
怒ったようにそう言うと、香坂は妖しく
微笑む。
「……今日の服、めちゃくちゃ可愛い」
「───っ!?」
「いつもの委員長と違うよね……」
思いがけない言葉に固まってしまう私を
舐めるように見回しながら、僅かに緩く
巻かれた髪の毛を指先で弄る香坂。
耳許で囁かれる低い重低音に、痺れてし
まいそうだった。
「……もしかして、誘ってんの?」
「……っ、ち、違うから!」
もうそれ以上は堪えられなくて、パシッ
と香坂の手を払いのける。