睡魔をイケメンに擬人化してみた

3 擬人化してみようじゃないか


ベッドを見る。

掛け布団。

なつみは、彼女好みのイケメンに擬人化するために集中した。



むむむむむ…。





―見えた!


なつみの目が、ベッドの上にひとりの男子を捉えた。

しっとりとした黒髪、短髪のために露な長い首筋。
白い肌、切れ長の目、桜色の薄めの唇。
不思議な雰囲気のあるイケメン男子だ。
自然に目が吸い寄せられ、体のラインを追ってしまう。


―美しい…。



動物に例えるならば、”黒豹”。

これこそ、彼を表現するにふさわしいだろう。



―しかし。




…解せぬ。




―なぜ半裸?



黒豹男子は上等そうな布を一枚を腰に巻いて、ベッドに体を横たえているのだ。


そして静かに、なつみを見つめている。


―ううう!ものすごいフェロモンに目を開けていられないけど、それもまたよし!


なつみは彼が半裸である謎について、考えることをやめた。
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