なんで俺じゃあかんねん
ボールが手につくかつかないか、
俺はそのままドリブルで相手ゴールに向かって走る。
この爽快感
そして、張り詰めた空気。
矛盾の世界の中でこそ味わえる楽しさ。
これやから、バスケは楽しい。
俺の前に立ちはだかる相手方のディフェンス。
さすが、先輩。
どこにも隙がない。
俺は一旦チームメイトにパスをまわした。
バスケは個人戦じゃない。
バスケほど、団体戦のスポーツってないんちゃうか?と思えるほど。
一人じゃないから、頑張れる。
みんなで稼いだ得点やからうれしい。
やっぱり俺、バスケ好きや。
俺がパスをだした先輩が、相手をひきつけてる間に
動いて、もう一度ボールをもらいにいく。
先輩は、うまくパスをだしてくれた。
でも・・・・
「・・・・!!」
そのパスは、簡単にカットされた。
・・・・真田先輩。
カットして、ボールを攫っていく人物を目で追う。
その次の瞬間、自然と足が前へでる。