なんで俺じゃあかんねん
「葵先輩!」

遼やった。

「久しぶり、遼くん。勉強?」

「はい!!先輩はテスト大丈夫なんですか?」

「あほやな~。」

今度は、遼の後ろからリキトがでてきた。

「葵ちゃんは頭ええから。ハルとちがって。」

リキトが葵のこと呼ぶの、久しぶりに聞いた。

こいつ、まだ"葵ちゃん"って呼んでんねや。

「え!!先輩って頭いいんですか!?」

「うーん・・・まあ、ハルよりは?」

「なんやねん、二人そろって。」

俺はムッとしながら、荷物をもって先にリビングに戻った。

葵を含めた3人もあとから入ってくる。

「あ!!お邪魔してます。」

そこで葵と斉藤が対面する。

「こんにちは~。」

「はじめまして。俺、ハルと同じクラスでバスケ部の斉藤です。」

「あ、はじめまして。姉の葵です。」

そうか。ここ二人は『はじめまして』になるんか。

お互いぺこっとお辞儀をする。

「葵~。とりあえず、キッチンにこれ置いといていい?」

そんな二人を見ながら、俺はレジ袋をどさっとシンクに置いた。

「あーうん。

今から、横で軽く下ごしらえしてるけど、大丈夫?

あ、てか!みんな、晩御飯食べていくの?」

え・・・!?

いや、いいけど。

ついさっき二人きりかも、とか思ったとこやから。

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