なんで俺じゃあかんねん
「おい!ハル!なにしてんねん!!」
あんまり遅い俺に耐えかねて二人がトイレまで来た。
「ああ・・・ごめん。」
「なんや、もう済んでるやんけ。
なに手洗い場で放心状態なってんねん。」
ホンマや・・・・。
俺はなにをしてるんや?
「いや、さっきの人。」
「え?」
俺のつぶやきに斉藤が眉を寄せる。
「さっき、横におった人。」
「ああ、バスケ部の人か?」
「うん。」
俺は真面目な顔でうなずくが、斉藤はよくわかっていない様子。
「もしかして、葵先輩としゃべっとった奴か?」
なにかを感じ取ったように今度はリキトが声をあげる。
「ん?ハルの姉ちゃん?」
斉藤はやっぱりいまいちわかってない。
「話した。真田 海っていうねんて。」
「へえ。」
「やっぱりバスケ部やった。」
俺の話をリキトは相槌をうちながら聞いてくれた。
「他には?」
「いや、葵の弟やってことと、あと姉ちゃんのこととか。」
「なに、それ。雑談?」
確かに、今考えたら、雑談としか考えられへんような内容やな。