なんで俺じゃあかんねん
でも、なんか・・・
雑談って雰囲気じゃなかったで?
お互いを探り合ってるみたいな。
ん?
あっちは俺を探ってたんか?
探ってたんは、俺だけなんちゃうか?
いや、でも、じゃああの俺の中をかき乱すような感じはなんや?
こんなに気になるのは、葵と仲が良さそうやっただけじゃない・・・・・
これまでだって、そういう奴はおった。彼氏だっておった。
でも、今までの奴とは違うような。
だって今までの奴らは、俺、どっかで大丈夫やと思ってた。
俺の方が男としては上やなって。
でも、あいつは、真田先輩には、負けてる気がする。
それが、相手にも伝わったんかな?
「ハル?」
「どしたんや、怖い顔して。」
「リキト、俺、真田先輩超えたい。」
「は?」
俺自身もなにを言っているのかわからない。
けど・・・
「なんか、ホンマのライバルがでてきた気がする。」
「ライバルって・・・」
リキトは察したようにハッとした顔をした。
「なんや?ライバル?先輩がライバル?え?」
斉藤は相変わらずわかってないけど。
「おう!頑張れ、ハル。」
リキトは笑顔で応援してくれた。