なんで俺じゃあかんねん
それからちょっとしてから、いつものようにガヤガヤしだす教室。
心なしか、女子の声がいつもより高い気がする。
いやいや・・・
そんなこと思うなんて、俺ナルシストかな。
あかんあかん。
クラスの雰囲気が戻って、俺ら3人も気を取り直し、食堂へ向かうことにした。
「なあ、ハル。」
食堂への渡り廊下に差し掛かったあたり、リキトが声をかけてくる。
「ん?」
「おまえ、嘘ついたほうがよかったんちゃうんか?」
心配そうなまなざし。
「なんでやねん。」
あんなとこで嘘ついたってしょうがないやろ。
「だって、おまえこれからめっちゃ告られたりするんちゃうん?」
「あ、俺もそれ思う!」
斉藤まで・・・。
「そうか?」
「うん、『高校の女子は告りまくりや!』って姉ちゃんが言っとったぞ?」
「斉藤、おまえ姉ちゃんおるんか?」
「うん。まあ、それはええやん!」
まあ、確かにおりそうなイメージはあるな。
なんか、押さえつけられて育った感がある。