なんで俺じゃあかんねん
「祥ちゃん、彼女おるからええやん。」
遼は皮肉っぽくつぶやいた。
「ホンマや!山木、彼女おるんやろ?」
確か、チア部。
遼曰く『めっちゃ可愛い』らしい。
「いや、それとこれとは別やって。」
山木は「わかってないな~。」とか言いながら首をふった。
なんやそれ。
「てか、ハル。」
「ん?」
リキトが思い出したように俺を見る。
な、なに・・・・?
えらい真剣な顔やけど。
「確か文化のペア。雅 葉月ちゃうかったか?」
「そうやけど?」
「「「「え!?」」」」
突然、その場にいた全員が俺に注目した。
「ハル、それマジ?」
遼たちもびっくりしたように俺につめよってくる。
「うん。隣の席の雅さん。」
「うそ!ペアな上におまえ席隣やったんか!!」
斉藤は「なんでおまえばっかり。」とか言いながら泣きマネ。
「え、なんなん?」
「なんなん?っておまえ知らんの?」
リキトは信じられないというように目を見開いている。
「知らんって、そりゃまだクラスの全員知ってるわけちゃうし。」
「いや、入学前から知っててもおかしくないレベルやで?」
え・・・?
遼までそんなことを言う。
なにが・・・・??