なんで俺じゃあかんねん
「なに、ハル好きな人おるん?」
紅鮭をまるごとかぶりついたまま俺を見てくる、
おまえが好きなんや!!
と言いたいけど、ここで言えるはずもない。
「おらんよ。」
「やんな~。なら、ええやん。」
「よくないし!第一、俺じゃ無理やろ。」
部活でも、そう言われたしな。
「まあ、いくらなんでも無理か・・・。」
「そうかな?女子高生なんて、所詮顔やと思うけどな~。」
「ちょっと、ママ!!それ女子高生への偏見やで。」
「ごめんごめん。」
そうして、その話題は終わり、
いつものように俺以外の3人がうるさい食卓が再開した。
葵は、どう思ったんやろ・・・。
なんも言ってなかったけど、付き合ってみれば?とか思ったかな。
それとも、ちょっとは寂しくなったりした?
今は姉の気持ちとして、でもいい。
寂しいくらいは、思ってくれないと
俺、泣くで?