なんで俺じゃあかんねん
「ハルの顔やったらいけるかもしれんで!!なあ?」
母さんが父さんに同意を求めて、
「せやな。なんせ俺の息子や。」
父さんも同意する。
「いや、二人とも何言っとん?」
なんでそういう話になるんや・・・。
「だって、チャンスやで?
雅 葉月みたいな将来有望なお嬢さんつかめたら、
あんた将来働かんでも、生きていけるで。」
それ、嫁に食わせてもらうってことか?
男として終わってるやろ・・・。
「それは、純粋にうらやましいな。」
葵は頷いて食事を再開。
「でも、ハルにはまだ彼女とか早いやろ。」
なんやと!?
葵のやつ、また俺のことガキ扱いしてるし。
「言っとくけどな、たぶん葵より告られた回数、多いで?」
「・・・・っう。あたってそうやから何も言えん。」
悔しそうに顔をゆがませる。
「ハル、まじめに、どうや。」
父さんは真剣に勧める。
「いや、遠慮しとくわ。」
「なんで?他におるん?」
「え!?」
・・・・・あ。
動揺して、声でかくなってもた。
だって、肝心の"他"が横におる・・・・。