君が好き
片思い
…今日もかっこいい……

「松浦先輩…」

今、あたしが見ているのは、あたしの大大大好きな人、松浦(まつうら)甲斐(かい)先輩。
サッカー部のキャプテンで、そのルックスはもう学校では有名。
優しくて、行動力があって…

見ているだけで幸せ。

「麗奈(れな)~…まーた松浦先輩見てんの~?」

「あっちゃん‼」

坂本(さかもと) 愛結(あゆ)、通称あっちゃん。

すごく信頼できる大親友。
いつも相談に乗ってくれて、助けてくれる。


「確かにかっこいいけどさぁ?もう見慣れてるし…よく飽きないよね」

「あっちゃんはいいなぁ…あたしもマネージャーになりたかったよっ」


あっちゃんは、サッカー部のマネージャーで、松浦先輩とは何度か話したことがあるみたい。

フェンスから、松浦先輩に見惚れていると、ピーーと笛がなり、試合は終わった。

「んじゃ、あたしみんなにタオル配ってくるから」

「・・・・・。」

あたしも行ってみたいな…

「…麗奈も行く?」

あたしがあっちゃんを見つめていると、あっちゃんは呆れ顔で言った。

「いいの!?」

「そんな目で見られたら、断るもんも断れないでしょ」

「やったぁ!!」


…どうしよう…

すっごい嬉しいっ!


あの松浦先輩と話すチャンスだっ!!!




「お疲れ様でーす!タオルどうぞー」

あっちゃんは手際よく選手にタオル、飲み物を差し出している。
…あたし…何すれば…

あっちゃんの後ろにひたすら付いていくと、あっちゃんがいきなり振り返った。

「麗奈、松浦先輩にこのタオルあげて」

「え…」

渡されたのは、一枚のタオル。

「ほら、話したいんでしょ?」

あっちゃんはにこっと笑った。

「…ありがとう…!!!」

あたしはあっちゃんにお礼を言うと、松浦先輩に向かって走った。





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