[中] 0o 恋と果実 o0
「おい!!」
始めて耳にする、雅紀の大きな声が響いた。
拓也は驚いて振り返る。
「オレが言える立場じゃねぇけど、そんな程度の思いだったのかよ! なんでそんな奴に譲らねぇといけねぇんだよ!」
一筋の風が流れた。
川の水の音も、何の音も聞こえない。
「ふざけんじゃねぇ! 本当に好きなら……隠すな!! 迷うな!!」
「…雅紀先輩…。…ありがとう…ございます…。
…俺、……俺、やっぱどうしようもないくらい…来夢が、好きです!!!」