抹茶モンブラン

6.愛してもいいですか……?(SIDEミックス)

SIDE鈴音

 光一さんの腕の中は、やっぱりどんな高級なベッドの中にいるよりも心地よくて、私はどうせならこのまま時が止ればいいのにと思った。
 ドラマなんかでこういうセリフを良く聞くけど、本当にそう思った。
 瞬間的な甘美さをポラロイドカメラに写すように、時間も切り取って永遠に残す事が出来るなら、どんなにいいだろう。
 でも、残念ながら時間は残酷なまでに淡々と「現在」をどんどん「過去」へと押し流す。

「光一さん……ごめんなさい」

 愛しくて愛しくて……泣きたいぐらい愛しい彼の腕の中で、私はそう言った。

「別れたいと思っている男の腕の中で、どうしてそんな悲しそうに涙を流しているの……」

 ごまかしきれず、私はとうとう涙を流してしまった。
 
 彼を愛しているという事を抑え込むのは限界だった。
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