抹茶モンブラン
「今は料理ですね。本の通り作るより、さらに美味しくなるように工夫したりするのが大の楽しみになってましてね。時々自分のアパートで小さなパーティとかするんで、どうぞ今度参加してください」

 高田さんはオフの時間を自分の趣味に当てていて、相当真剣に取り組んでいるようだった。
 仕事オンリー人間の光一さんとは対照的な人だ。

「へえ、すごいですね。本格的なんですか」
「まあ、結構本格的ですよ。一度始めるととことん追求したくなるのは性格でしょうね」
「そうなんですか」

 オフをめいいっぱい楽しんで仕事もきちんとこなすっていうのは、素敵な生き方だなあと私は思った。

「……やっぱり乙川さんといると、ホッとするなあ。素敵な方ですね……あなたは」

 そう言って、高田さんは再び私を褒めてくれた。
 何だか真正面からそういうのを言われると、本当に照れてしまう。

「私、そんなに素敵な人間じゃないですよ」

 光一さんにも言われたけど、私は褒められるとすぐにそれを否定しにかかる。
 高田さんにもそこを指摘された。
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