抹茶モンブラン
 その鈴音の本当の幸せは何かと考える。
 一度結婚に失敗していると言っていたけれど、その事で異性への変な猜疑心を深めてくる事も無くて、最初の抵抗を乗り越えたら本当に純粋に僕を好きでいてくれるのが分かる。
 だから、僕も彼女をどんどん手放したくなくなっている。

 精神的に追い詰められると手がつけられないほど子供じみた状態になる自分に、ほとほと嫌気がさす。
 余裕のある時は鈴音が誰と会話していようと平気なのに、仕事に追われている最中に高田と笑顔で話す鈴音を見ると、本気で危険な精神状態になる。
 俺は2重人格者か?そう思ってしまうほど、愛しい鈴音に怒りというか憎しみというか……そういう黒い気持ちがわいてきたりする。

 僕の性格を突き詰めると、いわゆるストーカーにいるタイプの性格にそっくりだ。

 こんな人間と付き合っていて、鈴音は幸せだろうか。
 僕以外の男に笑うな……とか、そんな注文をつけそうになる。
 仕事の相談をするのに、あんなに至近距離で話す必要ないだろ……とか思ったりする。

 二人きりの時に僕に見せる鈴音の甘えた顔、声、全てを僕だけのものにしたい。
 こんな強い独占欲を抱く自分も確かに存在している。
 でも、それとは別に冷静な自分が「お前に鈴音を幸せに出来るのか?」と言っていたりする。
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