抹茶モンブラン
 高田の事は心から信頼している。
 性格も頭もいい。
 申し分のない人材で、そのせいで余計自分の不安が強くなるという逆現象が起きている。

 あの男の方が鈴音を幸せにしてやれるんじゃないだろうか。
 そんな事をふと思ったりして、慌てて自分の考えを否定する。

 高田が鈴音を気に入っている事に気が付いたのは、何度かランチを二人でとるようになったのを知ってからだ。
 普通に雑談しているだけのようだったけれど、高田のさり気ない瞳の動きが鈴音を追っているのが分かった。
 僕が鈴音に惹かれた時と同じように、彼もあの子の持つホンワリしたムードに癒されているんだろう。

 とかく研究者っていうのは孤独だ。

 心の支えが欲しいと思うのは、人間としては普通の事だろうと思う。
 僕ほどの変人ですら、仕事だけでは人生に何かが欠けていると思ってしまう。
 だから、鈴音の存在は僕にとってかなり重要なものだ。
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