抹茶モンブラン

 苦しい……。

 自分の持って生まれた曲げられない性格。

 職場で鈴音が僕に相当気を使っているのは分かっているのに、機嫌が悪いと、子供のようにふてくされた態度になるのがどうにも止められない。
 彼女に非が無い事がほとんどなのに、八つ当たりみたいな状態の時もある。

 こんな自分が嫌いだ。
 でも、こんな自分だからこそ、ここまで研究成果を上げて来られた。
 優しい男には到底なれそうもない……。
 鈴音を不幸にしてしまうかもしれないのに、彼女を手放したら僕が崩壊するのは目に見えている。

 僕は、鈴音と一緒にいる資格がある男だろうか。

 こんな事を延々と考えながら、その日の出張先へ向かう電車に飛び乗った。
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