理想の男~Magic of Love~
ここを越えれば、後は私の家に到着する。

浩治との会話から逃げるように、窓の外に視線を向けた時だった。

――えっ?

その光景に、自分の目を疑った。

「浩治、ごめん」

私は浩治に話しかけた。

「えっ、どうしたの?」

浩治が訳がわからないと言うように聞き返した。

「もうここでいいから。

後は歩いて帰る」

「えっ、ええっ?」

突然の私の行動に、浩治は訳がわからないと言う顔をしている。

「どうしたんだよ、急に」

今は浩治の質問に答えている場合じゃなかった。

自分がたった今目にした光景を、早く確かめたいのだ。
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