浮気は、いいよ。
「ワタシね、離婚届出したらあの家から出てくの。 だから沙耶香、あの家に引っ越しておいでよ。 ・・・まぁ、ワタシから言われなくてもそうしてたか・・・。 デモさ、言っちゃ悪いけど、あの家新築だから沙耶香のアパートよりはキレイで広いし、2人で住むなら早い方がいいと思ってさ」
優里はどうしてこんな事を笑って言えるのだろう。
・・・・オレの事など、もうどうでもいいからだろうか。
優里には
オレへの未練など、微塵もないのだろう。
「悪かったわね。 狭くて汚いアパートで」
優里の皮肉交じりの提案に、沙耶香嫌味っぽく返す。
「そうは言ってないじゃん。 『よりあの家の方がキレイで広いですよ』って言う・・・・お勧め??」
が、優里も負けない。
「・・・・あのさ、ワタシ、優里の悪口に付き合ってるヒマないの!! シゴト遅れるからもう行く。 じゃあね!!」
沙耶香がオレたちの横を走って通り過ぎた。
優里が身体の向きを変えて
「沙耶香のばーか!! じゃあね!! ばいばいッッ!!」
少し離れた沙耶香の後姿に向かって、沙耶香に聞こえる様に大きな声を出した。