浮気は、いいよ。
車に乗り込むと、悠介は運転席のホルダーに入れてあった缶コーヒーを一口含んだ後、手帳をパラパラめくり始めた。
ワタシたちが付き合っていたのは、車も運転出来ない高校の時だ。
スーツ姿で手帳を開いては予定を確認している悠介に、懐かしさは感じなかった。
「優里、結婚してんだ⁇」
悠介が手帳を閉じてワタシの左手に視線を落とした。
「………一応」
もう、結婚している事さえ過去の話になるかもしれない。
「一応⁇」
「………悠介は、ワタシの何に嫌気がさして浮気したの⁇」
久しぶりの再会なのに、テンションを上げられない。
こういうトコも、愛想をつかれる原因ななのだろう。
「旦那、浮気してんの⁇」
悠介がエンジンをかけながら聞いてきた。
「………見ちゃったんだ」
あまり顔を見られたくなくて、窓の外の景色に目を向けた。
今、自分はどんな顔をしているんだろう
「そっか。 見たって事は相手の顔も知ってんだ⁇」
知ってるのが顔だけなら良かったのに。
「…………沙耶香」
沙耶香と悠介とワタシは高校の同級生だった。
「………ソープオペラだな」
確実に狙って言ったであろう悠介は、言い切る前に口の端を上げた。
「ホントにネ」
突っ込む余裕など、あるハズがない。
「ノリ悪。 被せてこいよ‼」
「『何故、昼ドラとは言わないんでしょう』」
棒読み。
悠介の車に乗った事を、若干後悔した。
「なんだよ、そのしぶしぶ感は。 まぁいいや。 取り敢えずなんか食いに行こうぜ。 優里は落ち込むと飯食わなくなるからな。 どーせ、またメソメソしてロクに食ってないんだろ⁇」
そうなのだ。
ワタシはストレスが溜まったりするとゴハンを食べない。
食欲が無くなると言うより、吐き気がするからだ。
悠介は、覚えていたんだ。
「ドライブしたい」
久々に会った悠介の前で吐くワケにいかない。
「1時間だけだぞ。 一応シゴト中だからな。 あ、コンビニ寄らせて」
悠介は車を走らせたかと思えば、すぐ近くのコンビニに停車させた。
「優里も来る??」
「車で待ってる」
「おっけー」
何がおっけーなのか分からないが、悠介は適当な返事をワタシにすると、財布だけ鞄から取り出しコンビニへ入って行った。
………深刻な顔をされるより、よっぽど楽かも。
ワタシたちが付き合っていたのは、車も運転出来ない高校の時だ。
スーツ姿で手帳を開いては予定を確認している悠介に、懐かしさは感じなかった。
「優里、結婚してんだ⁇」
悠介が手帳を閉じてワタシの左手に視線を落とした。
「………一応」
もう、結婚している事さえ過去の話になるかもしれない。
「一応⁇」
「………悠介は、ワタシの何に嫌気がさして浮気したの⁇」
久しぶりの再会なのに、テンションを上げられない。
こういうトコも、愛想をつかれる原因ななのだろう。
「旦那、浮気してんの⁇」
悠介がエンジンをかけながら聞いてきた。
「………見ちゃったんだ」
あまり顔を見られたくなくて、窓の外の景色に目を向けた。
今、自分はどんな顔をしているんだろう
「そっか。 見たって事は相手の顔も知ってんだ⁇」
知ってるのが顔だけなら良かったのに。
「…………沙耶香」
沙耶香と悠介とワタシは高校の同級生だった。
「………ソープオペラだな」
確実に狙って言ったであろう悠介は、言い切る前に口の端を上げた。
「ホントにネ」
突っ込む余裕など、あるハズがない。
「ノリ悪。 被せてこいよ‼」
「『何故、昼ドラとは言わないんでしょう』」
棒読み。
悠介の車に乗った事を、若干後悔した。
「なんだよ、そのしぶしぶ感は。 まぁいいや。 取り敢えずなんか食いに行こうぜ。 優里は落ち込むと飯食わなくなるからな。 どーせ、またメソメソしてロクに食ってないんだろ⁇」
そうなのだ。
ワタシはストレスが溜まったりするとゴハンを食べない。
食欲が無くなると言うより、吐き気がするからだ。
悠介は、覚えていたんだ。
「ドライブしたい」
久々に会った悠介の前で吐くワケにいかない。
「1時間だけだぞ。 一応シゴト中だからな。 あ、コンビニ寄らせて」
悠介は車を走らせたかと思えば、すぐ近くのコンビニに停車させた。
「優里も来る??」
「車で待ってる」
「おっけー」
何がおっけーなのか分からないが、悠介は適当な返事をワタシにすると、財布だけ鞄から取り出しコンビニへ入って行った。
………深刻な顔をされるより、よっぽど楽かも。