浮気は、いいよ。
「車、走らせても平気⁇」
悠介がエンジンに鍵を突っ込んだ。
「うん。 窓、開けてもいい⁇」
「半分くらいでいい⁇」
悠介は、運転席の脇のボタンで助手席側の窓を開けた。
悠介は、こんなどうしようもないワタシを女性として扱ってくれる。
有難くて、やっぱり嬉しくて。
「御親切どうも」
「どういたしましてー」
悠介が見慣れた景色の中に車を走らせた。
高校まで住んでいた場所。
右に曲がれば公園があって
左に曲がればワタシたちの高校がある。
前髪を乱す風は、モヤモヤまで吹き飛ばしてはくれないけれど
その代わりに懐かしい匂いを、記憶を運んでくれた。
安堵感。