浮気は、いいよ。


「………高校の時、浮気したのスゲェ後悔したよ、オレ」



ポツリ、悠介が話し始めた。



「………いいよ、嘘ついてまで慰めてくれなくて。

別れた後、口さえ聞いてくれなかったじゃん」



時間が、時代が過ぎるって凄い。



別れてから目さえ合わせなくなった2人が、今は普通に会話している。



2人共、大人になってしまっていた。



「電番もメルアドも変えて拒絶したの、優里じゃん」



「えッッ⁇」



確か変えた。 でもそれは



「携帯、新しくしようと思ってて、NMPより新規の方が安かったから、携帯会社ごと全部変えただけで、拒絶なんかしてない」



「じゃあ、教えてくれても良かったじゃん」



「………諦めたかったんだよ、悠介のこと」



別れてからも、しばらくずっと、ワタシは悠介が好きだった。



幸太郎に会うまで引きずっていた様な気がする。



それくらい、好きだった。



「………なんで、浮気したの⁇」



一番聞きたかった事。



「優里に安心しきってて、刺激が欲しくなっただけ。 優里の何かが悪いワケじゃない。 むしろ、いつでも安らげる優里が大好きだったよ」



これ以上落ち込ませまいと、優しい気休めをくれる悠介。



でも、ワタシは本当の理由が聞きたい。



「いいよ、気なんか遣わなくて。 ズバッと言って」



「ホントだって。 刺激と安心感持ち合わせてる人間なんてなかなかいないじゃん。

あの時のオレは、それが分かってなかった。

だから、浮気した」



もっとハッキリ言ってくれていいのに。



「つまんなかったんでしょ⁇ ワタシ」



「平穏って、つまんないって事だと思わない⁇ でも、平穏って幸せな事じゃない⁇

コレ、優里と別れて気づかされた事」



幸太郎と出会う前に悠介と再会出来ていたら、どんなに良かっただろうと思った。
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