浮気は、いいよ。
「オレ、シゴト戻んなきゃだけど、優里はこれからどーすんの⁇」
悠介が駅の近くに車を停めた。
1時間はあっという間に過ぎていた。
実家に泊まる気で家を出てきたけれど、そんな気にもなれなくて。
「夕食の買い物して帰るよ」
車を降りようとした時
「何かありましたらいつでも連絡下さい」
悠介が営業マンらしく、両手で名刺を差し出してきた。
「すみません、ワタシ、名刺持ってなくて」
名刺を受け取りながら、悠介の寸劇にのっかる。
「じゃあ、今ワン切りして⁇」
せっかく被せたのにスルーされるし。
恥ずかし。
「ゴメン、なんだかんだ次のアポの時間迫ってて。 スルーした」
謝られると余計恥ずかしい。
名刺を見ながら無言で悠介の携帯にワン切りした。
「じゃあ、またな」
そう言うと、悠介はシゴトに戻って行った。