それだけ ~先生が好き~



その夜、アルバムを開きながら思い出に浸ってた。


先生の写真を見るたびに、こんなことがあったなって思い出すんだ・・・。




お父さんとお母さんが仲良く話をしていたりすると、先生にすぐ報告してたっけ。


そんなこと先生にしか言えなかったから。


他の理由を知らない人に言えば、そんなの当たり前だと思われてしまうから。



私にとってはちっとも当たり前じゃない、夢のような現実を理解してくれてたのは先生だけだった。



『先生!!あのねあのね!!』


『先生あのねって、小学1年生みたいだな~、お前』


『う、ごめんなさい・・・』


『いいよ、何か嬉しいことあった?』



そう笑いながら言ってくれる先生。


心から好きだと思うよ。



話を聞き終えると、



『そっか!よかったなぁ』



って、笑いながら肩を叩いてくれたんだ。



私が嬉しかったこと、先生も同じくらい喜んでくれた。



それが嬉しくて・・・何でも先生に報告したいって思ってた。



だけど、どんどん先生が忙しくなるのを見ていて・・・話をできない状況も続いた。




それでも先生はすれ違うたびに微笑んでくれたよね。






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