† Lの呪縛 †
オリヴィアが他の男と恋をするなど、考えるだけで腸が煮えくり返りそうだった。


勿論クレアに悪気などない。


クレアはノエルの気持ちに気付いていないのだから。


オリヴィアは戸惑いを露わにし、困惑した顔をしている。



「実はシンシアがオリヴィアに会いたいって言ってるのよ。 それにシンシアにもオリヴィアと同じ歳のお嬢さんがいるから、きっと楽しいと思うわ」



オリヴィアは悩んでいた。


外に出てみたいという気持ちはあるが、不安もある。


今迄友達と呼べる存在などいなかった為、同い年の女の子とまともに話をした事がない。



「考えておくね」

「オリヴィア、ずっとお家に閉じ籠っているわけにはいかないのよ?」

「だからと言って、無理に外に出る必要はないだろう」

「ノエルは過保護過ぎるのよ」



天気はいいのに、三人のいるテーブルの周りだけが段々と雲行きが怪しくなり、居た堪れなくなったオリヴィアはおずおずと立ち上がった。



「あの、私……先に部屋に戻るね」



オリヴィアはクルッと二人に背を向け、半ば逃げる様にそそくさとテラスから出て行ってしまった。





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