† Lの呪縛 †
「どのくらいの時間保っていられるかは分からないが、少量でこれだけの効果だ。 毎日飲み続ければ今の美貌を……いや、今以上の美貌を手にいれられるかもしれないよ」



今以上の美貌……その言葉にジュリアンナは表情を明るくさせた。


自分はもっと美しくなれるのだと心踊らせた。



「この血はどなたのものなの!?」



興奮気味にエリオットに詰め寄った。



「兄の娘の血だよ」

「お兄様の……それって、養子に迎えたお嬢さんよね?」



エリオットは何も答えずただ微笑んだ。


兄ダグラスからは簡単にはオリヴィアの身体の事は聞いていた。


人よりも怪我の治りが早いという事、心臓を銃で撃ち抜かれ心臓が止まってしまったが、傷は綺麗に塞がり再び心臓が動き出した事。


にわかには信じられない事ばかりで、半信半疑でいたが、検査をして信じられない事実を目の当たりにした。


オリヴィアの血を調べ分かった事。


それは驚くべき早さで細胞が動いているという事。


普通の人とは全くもって異なっていた。


だがダグラスには『何も分からなかった』と報告した。


計画を遂行する為には、そう伝える事が一番得策だと考えたからだ。



「彼女を手に入れよう」

「そんな事出来るの?」

「私に任せてくれれば心配はいらない。 不安かい?」

「いいえ、貴方の事を信じているもの。 愛してるわ、エリオット」

「私も愛してるよ、ジュリアンナ」



二人はうっとりと見つめ合い、唇を重ね、その晩はいつもよりも激しく、熱く絡み合った。





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