† Lの呪縛 †
「エリオット、何をそんなに喜んでいるの?」



エリオットは床にジュリアンナを降ろすと、両手で顔を包み込んだ。


うっとりした表情を浮かべるエリオット。


口元には笑みを浮かべている。



「エリオットったら、ちゃんと説明してちょうだい!」



痺れを切らしたジュリアンナは唇を尖らせ、エリオットを急かした。



「なんて言えばいいんだろうか……兎に角素晴らしいよ!! まさかここまで凄いとは思っていなかった……!!」



興奮冷めやまぬエリオットは、ジュリアンナの頬を包み込んだまま、親指で優しく何度も何度も頬を撫でた。


ジュリアンナは、子供の様にはしゃいでいるエリオットが可愛くて堪らなかった。



「鏡を見てごらん」



そう言ってエリオットはジュリアンナの手を引き、鏡の前で立ち止まった。


ジュリアンナは鏡に映る自分の姿を見て息を飲んだ。


目尻の皺や豊麗線が綺麗になくなっていた。


みずみずしくハリがあり滑らかな肌は、少女の様だった。


首や手の甲の皺も薄くなり、若々しさを取り戻している。


驚きのあまり言葉が出てこなかった。






< 109 / 260 >

この作品をシェア

pagetop