† Lの呪縛 †
*****



「お父様、お母様、そんな悲しそうな顔をしないで……ノエルお兄様も」



検査までしたが、何も分からなかったとダグラスに告げられ、オリヴィアは気持ちを沈めた家族へ気にしていない素振りを見せた。


実際オリヴィアは少しホッとしていた。


化け物だと立証されずに済んだ事に。


家族の中で一番落ち込みを見せているのはノエルだった。


不安に怯え、それでも覚悟を決め検査を受けたオリヴィアの姿を傍で見ていたからだ。


オリヴィアはノエルの肩に頭を預けた。



「私は平気よ。 それに、今までと何も変わらないだけだよ。 そうでしょう?」

「あぁ、そうだね……」

「いつまでもそんな暗い顔してたら、ノエルお兄様の事嫌いになっちゃうから」



ノエルはギョッとした。



「ご、ごめん! オリヴィアが気にしていないのなら、それでいいんだ」



あまりの慌て様に、オリヴィアは口元に手を当て笑みを零した。


肩を震わせ我慢しているが、小さく笑い声が漏れる。


部屋の中は重い空気が流れていたが、オリヴィアの可愛らしい笑い声につられ、ダグラスとクレアは顔を合わせ笑みを零した。


ノエルはオリヴィアの言葉が余程心臓に悪かったのか、笑う余裕はなく、一人胸を撫で下ろしていた。





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