† Lの呪縛 †
ベルが一歩、また一歩と足を進める。


ジワジワと獲物の恐怖を煽るかの様に。


ランドール家当主は顔を強張らせ、ベッドの上で震えている。



「か、身体がっ!! 身体が動かんぞ!!」



ネヴィルの仕業だ。


ベルが傷付かなくて済むようにと、ネヴィルは細心の注意を払っている。


ナイフの先がランドール家当主の頬に触れる。



「や、止めろ!! なにが望みだ!? 何でもこの私が叶えてやろう!!」

「本当に救いようのない人。 傲慢で強欲で、愚かな人。 私の望みは貴方の命だと言った筈よ」

「うっ……!」



ベルがナイフを払うと、ランドール家当主の頬に一筋の線が入った。


血が滲み始め、真っ赤な粒がゆっくりと頬を伝い落ちていく。



「何度も想像したわ。 貴方を殺す場面を……毎晩ベッドの中でどう殺そうかと悩んだのよ? こんなにも憎いのに、毎晩貴方の事を考えていた……それも今日で終わるのかと思うと、心の底からせいせいするわ」



ベルがナイフを振り上げると、ランドール家当主は目を見開いた。



「止めろォォォォォォォ!!!!!」






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