† Lの呪縛 †
ベルはグッと拳を握り、口を開いた。



「ネヴィル……シャロンのこと、お願いね」

「あぁ、分かっている」

「ありがとう。 遅くなったけど、私の魂をあげるわ……」



ベルが瞼を閉じると一粒の涙がこぼれ落ちた。


部屋の中は荒れ散らかり、血だらけで、鉄の香りが漂っている。


悲惨な死を遂げたランドール伯爵夫妻。


ベルは微かに微笑んでいた。



「んっ……っ……」



ネヴィルの手がベルの胸の中を貫き、ベルは歯を食いしばり身体を震わせた。



「シャロン、に……あ、いしてると……伝えて……」

「あぁ……」

「私は……」



ベルの身体から力が抜け、倒れてしまわぬようネヴィルはギュっと抱きしめた。


呼吸が止まり、心音が途絶え、ピクリとも動かない。


ベルの最後の言葉はネヴィルの耳に届くくらいの弱々しいものだった。



「私もだよ……」



ネヴィルはベルが最後に呟いた『幸せだった』という言葉に返事をし、ベルをお姫様抱っこで抱え、外に出た。





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