† Lの呪縛 †
燃え盛る炎。


大きな屋敷、そして別邸をじわじわと焼き尽くしていく。


シャロンがネヴィルの手をギュッと握り、ネヴィルはパチンっと指をならした。


花壇の花々は燃え、眠りについたベルの身体が炎に包まれる。



「お母様は幸せだったのかな?」

「お前が一番側で見てきただろう」

「私はっ……お母様が幸せを感じてくれていたんだと思いたい……っ」

「ならばそうなのだろう」



ネヴィルの微笑んだ顔を見て、シャロンは目に涙をためた。



「行こう」

「行こうって……何処に? もう、契約は果たしたのでしょう?」

「ベルの魂は貰い受けたが、まだやり残している事がある」

「……やり残した事?」

「お前を安全な場所に、とベルから頼まれた」



本来ならば魂を貰った後に悪魔が約束を守る必要はない。


それでもネヴィルはベルとの約束を果たそうとしている。



「私もここで死んだ方がいい……」

「だが、ベルはそう望まなかった」

「そんなの勝手だわ!! 私にだって選ぶ権利がある!!」

「……お前の好きにするといい。 愛する母の想いを無下にするなら、俺がこの場でお前を殺してやる」

「そんな言い方っ……酷い、よ……」



泣きながらシャロンはネヴィルに手を伸ばした。


そして、シャロンを抱き上げたネヴィルはすぐさまその場を後にした。





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